BAR SABOTENの山と馬と酒

店主のゆるい日常と自然とのふれあい

お仕事のお話

 考え方ってのは人それぞれでね、僕自身、偏った考え方なのかも知れない。
そこに自覚がないのが、その所以なのかな。
 17歳の時に、バーテンダーになろうと決意し、早や30年の歳月が流れたが、
当時夢見たバーとは180度違う、とんでもなくザックリとした、都合よく言えば、
カジュアルな形のバーになってしまった。 そして、あろうことか、お店はバイトで、
仕事は競馬とまで言い出す始末... あの日の僕に会う事があったなら、間違いなくぶん殴られるだろうな。
 今日は、そのお仕事の話、競馬の話を少ししてみようかと思う。
今週末は、東京競馬場で、「天皇賞 秋」が行われる。そう、G1だ。
博打ってのは、勝てればれどのレースで勝っても同じなんだが、G1での勝ちは格別でね、例えるなら、ピノを開けたら星形が入ってたぐらい嬉しいんだわ。
だからこそ勉強が大事なんだが、今週は先のバイト先に泥棒が入ったもんだから、
ずっとバタバタしてて、ほとんど手付かず... 


まぁ10年もやってりゃ、こういう事もあるんだけど、実際に起こると、地味に不安な日々が続いてしまう。 この件の損失補填も含めて、サクッと稼いでおこう。


 今回の天皇賞は、出走馬13頭と少なく、若干の物足りなさもあるが、G1ホースが7頭も出走する、レベルの高い1戦となるだろう。頭の中を整理する意味も込めて、有力馬を診断し、簡単に目安となる点数を付けていこうと思う。


1 ステファノス
   名門藤原厩舎の馬で武器もな存在なんだが、前走を見ても衰えを感じてしまう
   【6点】
2 ブラックムーン
   抜群の切れ味を誇る馬だが、ここでは格落ち。58㎏での好走もない。
   【5点】
3 ヴィヴロス
   前年のドバイワールドカップを勝ち、今年も4着。 宝塚記念でも4着し休養。
   休み明けで挑む今回だが、切れ味のある馬、且つここ狙いのメイチな雰囲気。
   【9点】
4 レイデオロ
   文句なしに強い馬。ただ、マイルよりの流れの天皇賞より、JC狙いかなと。
   頭で狙うのは若干怖いかな
   【9.5点】
5 スワーヴリチャード
   よくわかんない内に、よくわかんないぐらい強くなってた馬。大阪杯のラップは、
   普通に走れれば、無敵かも。
   【10点】
6 マカヒキ
   前走の札幌記念は惜しい2着。 ここに向けて調子も上げてくるだろうと思うが、
   東京2000mの切れ味勝負を、今期待するのは酷かもしれない
   【8点】
7 アルアイン
   個人的に好きな馬だけど、完全な勝ちパターンに入った前走で、レイデオロに
   タイム差なしとは言え、差し切られたのは不満。好き好きポイントを足しても
   割引かな
   【9点】
8 ダンビュライト
   成長が物足りないのが残念。東京向きでもない
   【5.5点】
9 サングレーザー
   距離不安の中、洋芝2000mで快勝。 もう少し内目の枠が良かったが、スローな
   展開なら十分足りる
   【9点】
10 キセキ
   極悪馬場の菊花賞を勝ち、疲れからか不調が続いた。その不調もあるが、向かない
   条件だったのもまた事実。この条件なら狙えるだろう
   【9点】
11 ミッキーロケット
   宝塚記念を勝ち、G1ホースの仲間入り。 が、この条件は向かないだろう
   【8点】
12 サクラアンプルール
   さすがに格落ち
   【5.5点】
13 アクションスター
   さすがに格落ち


 各馬の実力、枠順を加味した予想はこうだ。
◎スワーヴリチャード
〇サングレーザー
▲キセキ
☆レイデオロ
△ヴィヴロス
△アルアイン


配当的に妙味がないだけに、極端に絞り込みたいね。買い方としては、3連単変速フォーメ。
イメージではこう。
スワ―ヴーサング、レイデ、ヴィヴ ー サング、キセキ、レイデ、ヴィヴ、アル
サング、キセキ、レイデ ー スワーヴ ー サング、キセキ、レイデ、ヴィヴ、アル


このイメージに、追い切り、当日馬体重を加味すれば、ほぼ当たるだろう。
後は、ド本線をどこにするかと、レイデオロ1着、スワーヴ2着は安いだろうから
買わないかもね。


それとあくまで木曜予想です。当日には変動が必ずありますので、気になる方は
ツイッターをチェックしてみてください。


 なんせ、割られた窓の修理代も高かったし、気持ちよくサクッと勝つよ!!


そして、みんなでちゅどーーーーーーーんと叫ぼうではないか!!

昨年の今頃

 今年の無雪期の北アルプスは、先週の奥穂高でおしまい。
紅葉の時期の涸沢は、正直気が引ける。 人が多いのは、正直苦手でね。
ただまぁ、雨も沢山降ったし、涸沢池の水量も多い気がして、欲に負けた...
8月に涸沢から北穂高へ登ったんで、今回はザイテンから奥穂高へ。
ちょこっと馬の背行って、前穂高って行程を組んだ。


 河童橋では小雨だったが、明神辺りでは止み、徳沢では色づいた木々の木漏れ日が
たまらなかった。


 何気ない瞬間の美しさが、山の醍醐味だと僕は思う。
正直、山頂に立った達成感も、未だ感じたことがない。変わってるんだろうね。
瞬間、瞬間に広がる世界が、僕の歩を止める。そしていつもの一言を発している。
 「たまらんなぁ」
言葉の意味は分からんが、とにかく凄い自信だ!! のように、
僕の心の震えは、この一言で片が付いてしまう。もう少し頭が良ければ、
色んな言葉があるんだろうけどね。


 広がりだした青空を見ながら、横尾を越え、屏風岩へと辿り着いた。



ロッククライミングも始めてはいるが、いつかあの岩壁も登りたいと思うのだろうか。
そんなことを考えている間に、涸沢に到着した。
今回は、ヒュッテの方にお邪魔して小1時間の休息を、名物のおでんで満喫させてもらった。 トイレ脇から続く道を行くと、涸沢岳を映す鏡池、涸沢池がある、はずだったが、
残念なことに、水たまり程度でしかなかった。 相変わらず、山は理不尽である...


 そのままザイテンの取付き点に、左側から直登したが、ザレザレ過ぎて、僕の体力を
思いの外奪っていった。 勘弁してほしかったわ。 ようやく辿り着いた穂高山荘は、
近々の天候のせいか、登山者も少なく、1人1組の布団で、しかもとんでもなく広々と過ごさせてもらった。
ご存じない方もいるだろうから補足すると、2人で1組の布団は当たり前で、酷い時は...
土曜日の昼間は、本業の競馬を楽しみ、副業の店を開け、5時間運転し、9時間近く歩いたヘロヘロの僕は、深い深い眠りについた。



 翌朝目覚めた僕は、テラスで煙草を燻らせた。 迷惑にならないよう、
かなり端っこでね。 準備が整うと、穂高山荘眼前の岩壁を登り、奥穂高岳へ登頂する。
馬の背へお散歩にも出かけ、前穂高岳へ続く吊り尾根を進んでいく。
紀美子平からは、簡単な岩登りで、20分ほどで山頂だ。



前穂高北尾根と奥に顔を覗かせる、名峰 槍ヶ岳。
写真には写ってはいないが、左には、昨年の今頃登っていた薬師岳が、その寛容な稜線に秋化粧をし、また来いよとばかりにこちらを見ていた。


 そう、昨年の今頃。


ありきたりだが、1年は早い。47歳にもなれば尚更だ。この1年、得た物も失った物もあっただろう。自覚してはいないが、色んな事があったんだろうね。
 あの頃は、なんて陳腐な言葉を言う気はないし、当時と比較して、落ち込む事もない。
人はつい比べてしまうが、現実は比べる事なんて出来ないんだ。 当時と今は、自分自身も、周囲の環境も同じではないから。 そう、ポジティブってのは、性格ではなく、技術なんだ。悩むぐらいなら、考え方を変えればいい。視点を変えればいいだけなんだ。ウダウダ言う暇あったら、小さい小さい1歩を踏み出そう。いずれ頂に到達するよ。別に到達しなくてもいいんだ。道中に見える景色の方が、僕は好きだから。
どんなに準備しても、どんなに努力しても、人生も、山も理不尽だって事を受け入れたら、人生なんて楽しいだけだしね。 


あの日の薬師岳も、今回の奥穂高岳も、本当に楽しい山行だった。この1年の成長も、十分感じることができたしね。


来年の今頃も、どこかの山を登っている、そして過ごした1年に思いを馳せる、そんな自分でありたい。

    俺なりの優勝だバカヤロー